紀州犬とは



 
和歌山県、奈良県、三重県の三県にまたがる、広大な地域であるそのほとんどは、深く険しい山岳地帯に覆われている。日本の他地域同様、この険しい山々の恩恵で近世まで、貴重な純血種の地犬の血が、多く守られてきた地域でもある。

 しかも、壮大なスケールの山岳地帯なだけに、熊野犬、太地犬、那智犬、日高犬、等々とそれは、かなりの数になる。まさに、紀伊半島は地犬の宝庫だった。 紀州犬とは、これらの地犬を総称したものであります。


 
 

紀州犬の今後

 
太古より、紀伊半島に棲息し数千年の歳月、寒暑風雪に耐え、父祖の良き伴侶となり、自然に完成した紀州犬は、昭和9年5月吉日、天然記念物に指定されて以来、半世紀にわたり生きた文化財として、保存されてきました。その間、欧米犬流行の風潮、食糧事情の変遷等により、幾度か絶滅の危機に陥りましたが、先輩愛好家や、関係各位の御尽力により、ようやく命脈を保つ事が出来ました。
 
 今現在紀州犬は、愛好家の弛みない努力により何とか保存されていますが急激な高齢化が進み、若い愛好家が少なくなり厳しい状況になってきました。古くから白犬・有色犬の血液に拘った人達が残された少数の犬からの作出を行いながら、紀州犬を保存していくという困難な道のりを次代に継承していきたい思います。


 
 

狩場明神

 
お大師さまは真言密教を広める根本道場を開くために、
適当な場所を求めて、各地を巡錫(じゅんしゃく)しておられました。ある日、大和国(奈良県) 宇智郡(五條付近)で、白黒二匹の犬をつれた狩人に出会い「どこに、行かれる」とたずねられました。そこでお大師さまは「伽藍を建てるのにふさわしい場所を求めて歩いています」と答えられました。すると狩人は、「ここから少し南の紀州(和歌山県)の山中に、あなたの求めているよい場所があります。この犬に案内させましょう」といって、そのまま姿がみえなくなりました。
 
この狩人が、今日高野山におまつりされている
狩場明神(かりばみょうじん)であるといわれています。



 
 
 
 
 
 
 

公益社団法人 日本犬保存会



日本犬保存会ホームページ  http://www.nihonken-hozonkai.or.jp/

 
 
 
 
 
 
 

天然記念物 紀州犬の銅像